S.Maria Degli Angeli(サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会)
廃虚あるいはレンガの小山といった外観ですが、内部には壮大にして端正な空間が展開しています。1560年代にミケランジェロの案に従って、古代ローマのバジリカを生かしつつ教会に改造したものですが、その後、18世紀に行われた大改修によってローマ時代の遺構は隠され、現在のような内観となりました。
ド―ム天井の前室。
下左写真:中央部から前室を見る。角形の付け柱は石ではなく、大理石調の塗装。
外観と内観がこれほどかけ離れている建物は一般的には珍しいに違いない。が、この事例には、ローマという都市における古代遺跡、すなわち積み上げられたレンガのボリュームが持つ意味が、端的に表されているように思われて興味深い。地盤の上に建物を建てるがごとく、岩山を刳り貫いて空間を造るがごとく。そう、それはおそらく、大地の一部なのである。