Pantheon（パンテオン）
紀元前27〜25年にかけてつくられた万神殿。パンテオンと言うとドームの天窓から差し込む光がまず思い起こされるのですが、ファサードからして只事ではない存在感を持っています。列柱で構成される空間はこの上なく力強く明解で、光が注ぐドーム空間の明るさの前に暗闇をつくり出す。正面に立てば、闇の奥に黄金色のレリーフが鈍い光を放っているのを見ることができるのです。
ドームの天頂から降りる自然光は、天候に応じて多彩な表情を見せる。円堂を均質に照らすこともあれば、強烈な陰影を与えることもある。内部の直径は43m、天窓（オクルス=眼）の直径は8.9m。壁面とドーム部はニ本のコーニスによって分割されており、一段目と二段目は1：√2の比率になっています。