ジンバランの民家
Pasar Jimbaran(ジンバラン市場)の裏手、細い路地の奥にあるたまたまお邪魔した民家。街路に対しては無愛想な門と塀。塀と複数の建物が中庭を構成し、建物は敷地の外側にではなく、中庭に対して開いている。ただ、中庭式の住宅とは言っても、いわゆる一軒家(一世帯が住む一棟もしくは一連の建物)というのではなく、複数の世帯(それはおそらく血縁がベースとなっているものと思われる)が門の内側の広い敷地のなかで、ひとつの集落を形成するように建物を建てて暮らしているといった感じです。
ですからこの場合、中庭とは言っても、いわゆるガーデンではなく、門の外側よりもプライベートの度合いを強めた路地のようなものと言った方が正しいのではないかと思われます。

左写真:この御宅の場合、内側にもうひとつプライバシーを護るための壁を設けた典型的な形の門ではありませんが、敷地の形状により同様の効果を得ており、やはり門の開口から一直線に内側を覗くことはできなくなっています。

お邪魔したのは日中の暑い時間帯で、家族のほとんどが家に居たようでした。バリの人々は朝が非常に早く、早朝活発に活動し、日差しが強く活動に適さない日中は休憩や昼寝をしたりして過ごしているようです。上写真の手前左手と右手の建物は女性と子供が利用する建物。正面の建物はほとんど吹き曝しの作業スペースのような感じで、この日は男性(この男性はこの日私が接した男性達のグループとは別のようでした)が作業をしていました。左手奥に男性の居室がある建物があり、この建物のテラスでは男性達がくつろいでいました。
家族ごとにひとつの建物をあてがわれているというのではなく、男女によって使う建物が区別されているようでした。この日数時間の滞在中、食事を出してくれたおばあさんが男性の建物(片隅に小さな厨房がある)でしばらく作業したのみで、女性達は男性の建物に近寄りませんでしたし、逆もまたしかりでした。

←市場で売るお供物を造っています。女性達は会話をしながらも手仕事を休みません。

右写真手前左のテラスは上写真の女性が作業しているテラス。子供や女性はこのあたりを主に使用している様子。右写真正面奥が男性の建物。この日ここにいた男性は4人でしたが、この建物にある個室は3室なので、ほかにもどこかに寝室があるのかもしれません。男性達がいるの建物の右手前にあるのは祭壇。
子供はかなりたくさんいる様子。赤ちゃんから小学生くらいまでだけで、少なくとも5、6人はいました。この敷地にはさらに奥があり、建物が続いており、そちらにも人が住んでいる様子でしたが、そちら側の人々はこちらに関わって来る素振りを見せませんでした。
こちらは男性達の建物。左端に小さな厨房があり、その他は寝室が3つ。寝室の感じは安宿のそれに酷似。テラスこそが快適な生活の場所。次々に煙草を巻いて持てなしてくれました。